砂場

美女と液体人間の砂場のレビュー・感想・評価

美女と液体人間(1958年製作の映画)
4.0
極端にいうと白川由美とジャズの映画!

ーーーあらすじーーー
水爆実験、キノコ雲の映像
麻薬取引をするギャング(佐藤允)、仲間が通りかかったタクシーに
轢かれたが、服だけを残し消えた。
警察の捜査で浮かび上がった三崎という男の家宅捜索、同棲しているキャバレーの歌手千加子(白川由美)の証言から
消えた男は三崎と断定。キャバレーで千加子に接触した男を連行したが、生物学者政田であった。政田は原爆実験で放射能を浴びた人間が液体のように溶ける仮説を立てていたが警察は本気にしない。
しかし遭難した船で溶ける人間を見たという証言も得た。
キャバレーでギャングの大量検挙をするが、液体人間が現れ何人かを溶かす。


<ネタバレあり>
ついに警察も掃討作戦に乗り出す。三崎の一味のギャングが千加子を脅し麻薬の隠し場所である下水道に入る。
液体人間がギャングを溶かす、一方で警察の掃討作戦により火のついたガソリンが下水道を流れてくる。政田が間一髪千加子を救い出す。
東京に上陸した液体人間は掃討したが、今後現れない保証はないと警察はマスコミに発表する。
-ナレーション、人類が滅んだ後地球を支配するのは液体人間
かもしれない
ーーーあらすじ終わりーーー


タイトル通り「美女>>>>と液体人間」であり。白川由美の美しさが液体人間のインパクトに勝る。
普通のワンピを着ている時は清楚なお嬢様風だが、キャバレーのセクシー衣装だと妖艶な雰囲気。本当に昔の女優さんは綺麗だよなあ。

液体人間の方はやや設定の詰めが甘いのか、ドロドロの状態と緑色の人間ぽい状態の差もよくわからない。人を襲うのか意思もなく動いているのかよくわからない。でもその為何をしてくるのかわからない不気味さは出ていると思う。

あと本作の音楽は多くの日本映画のサントラを手掛けた佐藤勝が担当しているが相当好き勝手やっている感。
ストーリー上不自然なくらいジャズの演奏シーンに気合が入っている。
まず白川由美の歌のシーンからしてかなり本格的なステージ。
歌の方はマーサ三宅の吹き替えで、結構真面目に歌っている。
ジャズバンドの方も結構かっこいいと思う、サックスがチャーリー・パーカー風味もあってスリリング。
調べると実際にナイトクラブで演奏しているバンドとのこと。
このステージの場面だけでもジャンル的に音楽映画と言ってもいいくらいだ。

いろんな意味で風変わりな良作だろう
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