kazu1961

美女と液体人間のkazu1961のレビュー・感想・評価

美女と液体人間(1958年製作の映画)
3.4
▪️Title : 「美女と液体人間」
Original Title :※※※
▪️First Release Year:1958
▪️JP Release Date :1958/06/24
▪️Production Country:日本
🏆Main Awards :※※※
▪️Appreciation Record :2020-354 再鑑賞
🕰Running Time:86分
▪️My Review
ほんと、スタッフ、キャストこの頃の東宝特撮作品は全く同じですね。そしてメッセージも核実験、核兵器へのアンチテーゼ。

本作、『電送人間』『ガス人間第一号』と並んで
“変身人間シリーズ三部作”と言われています。
東宝特撮映画、監督本多猪四郎、特技監督円谷英二、製作田中友幸の名トリオがアダルトな雰囲気をも折り込んだサスペンス映画に仕上げています。核実験の放射能により液化した人間が東京に出現し、人間を襲って同化する。『ゴジラ』など怪獣を軸にした特撮ではなく、あくまでもストーリーを進めるための必然性から発生する液体人間の映像演出は、さすがの円谷英二でも苦労したそうです。クライマックスで展開される、液体人間討伐作戦のプロットはダイナミックなビジュアル、佐藤勝の爽快な音楽にテンポの良い編集、入り組んだ下水道を再現したミニチュアワークの素晴らしさなどは液体人間の描写とともに素晴らしい出来映えです。(参考:AMAZON)

そして、大人向けの作品らしく、タイトル通り、女性の登場するシーンも多く、アダルトな雰囲気も持つ特撮映画でもあります。特に白川由美の雰囲気はその他の作品と一変。
そして、劇中で水爆実験の放射能を浴びた日本のマグロ漁船「第二竜神丸」は、当時としてはまだ記憶に新しいビキニ環礁の水爆実験事故「第五福竜丸事件」をモチーフにしたものなんですね。
物語は。。。
一人の男が消失するという事件が発生しました。捜査を担当した富永刑事は、友人の科学者・政田から、大量の放射能を浴びることで人間が液体化するということを聞かされます。。やがて一連の犯行は、原爆実験の巻き添えで液化した人間、液体人間の仕業であることが判明します。大都会を徘徊する異形の殺人者に対し、捜査陣は政田の協力を得、ついに下水道へと追いつめますが。。。
エンディングのナレーションは、怖い余韻を残す素晴らしい幕切れです。

▪️Overview
東宝の特殊撮影技術を駆使した怪奇活劇篇で、海上日出男の原作を、「地球防衛軍」のコンビ、木村武が脚色、本多猪四郎が監督、特技監督は円谷英二。平田昭彦、白川由美、佐原健二、小沢栄太郎、田島義文らが出演。色彩はイーストマン・カラー。Perspecta Stereophonic Sound。(参考:映画.com)
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