氷の国で亡くなった両親のお弔いに
日本からやってきた永瀬正敏。
仕事に追われ上司の顔色を伺う毎日。
行けども行けども凍てついた大地が続くアイスランドに降り立ち
変な国だなと戸惑いながらも
目的地の川を目指すのだが
旅路での奇妙な出会いや
神秘的な出来事が
次第に彼の内面を変化させていく...。
教会の葬式、精霊の登場と
霊的存在に見守られたロードムービー。
極寒の白い風景はあまりに幻想的
で、精霊の存在を普通に受け入れてしまえるほど。
こんなところを一人で歩いていたらどうなってしまうんだろ...と、そらおそろしくなってしまう。
永瀬正敏は赤いマフラーと黒いコートで車を走らせ時には一人でトボトボ歩く。
何かに導かれるかのように。
そらおそろしくなる大地に根付く不思議な何かに。
日本の常識が通用せず寒さにうんざりしていた彼が
最果ての川で供養を果たしたとき
初めて両親の死と向き合い
心から悼むことが出来た。
永瀬正敏の上司や、
アメリカ人夫婦の強盗は
物質社会に溺れ
人の死を軽んじる存在であり
葬式コレクターを名乗るカメラマンや墓掘り人、ホテルの老人らが
人の死について今一度考えさせてくれる対の存在なのだろう。
夕暮れの川に流す花とお酒と蝋燭の叙情的な光景。
線香は英語だとなんていうんでしょうね笑