LATESHOW

コールド・フィーバーのLATESHOWのレビュー・感想・評価

コールド・フィーバー(1995年製作の映画)
3.8
氷の国で亡くなった両親のお弔いに
日本からやってきた永瀬正敏。

仕事に追われ上司の顔色を伺う毎日。
行けども行けども凍てついた大地が続くアイスランドに降り立ち
変な国だなと戸惑いながらも
目的地の川を目指すのだが
旅路での奇妙な出会いや
神秘的な出来事が
次第に彼の内面を変化させていく...。

教会の葬式、精霊の登場と
霊的存在に見守られたロードムービー。
極寒の白い風景はあまりに幻想的
で、精霊の存在を普通に受け入れてしまえるほど。
こんなところを一人で歩いていたらどうなってしまうんだろ...と、そらおそろしくなってしまう。
永瀬正敏は赤いマフラーと黒いコートで車を走らせ時には一人でトボトボ歩く。
何かに導かれるかのように。
そらおそろしくなる大地に根付く不思議な何かに。
日本の常識が通用せず寒さにうんざりしていた彼が
最果ての川で供養を果たしたとき
初めて両親の死と向き合い
心から悼むことが出来た。

永瀬正敏の上司や、
アメリカ人夫婦の強盗は
物質社会に溺れ
人の死を軽んじる存在であり
葬式コレクターを名乗るカメラマンや墓掘り人、ホテルの老人らが
人の死について今一度考えさせてくれる対の存在なのだろう。
夕暮れの川に流す花とお酒と蝋燭の叙情的な光景。
線香は英語だとなんていうんでしょうね笑
LATESHOW

LATESHOW