ねこ無双

星空のねこ無双のレビュー・感想・評価

星空(2011年製作の映画)
3.5
台湾映画。7月に新作公開を控えたトム・リン監督の作品。

7年生の女の子(日本だと中学1年?)が主人公。
ある日、スケッチブックを携えてやってきた転校生の男の子。
その子の事がなぜか気になってしまい、後をこっそりつけてみたり…。
会話も交わす機会もなかったけれど、校内のある事件をきっかけに、それぞれ抱えた孤独が二人を結びつけていく。
大人の世界にあらがう事も出来ず、そんな二人に出来たのは、星空を見るためにちょっとだけ家出をする事だった。

ファンタジックに描かれた子供たちの心象風景。ピアノやオルゴールの優しい音色が心地いい。
怒ってる時の姿の影が恐竜になって吠えてたり、
折り紙で作った動物たちと一緒に行進して夕日を眺める。
夜行列車は宙を浮いて、少女が大好きなジグソーパズルの世界へ入り込む。

この子たちの気持ちと同じように私はもう感じる事が出来ないんだけど、絵本の世界がすっと現実に溶け込んでいる映像に魅せられます。

終盤の少女のその後を描くモノローグシーンがじんわりとしみます。
大勢の中にいても、親しくしていても、互いを理解しあうのは難しい。あの唯一人わかちあえた人。
見つからないジグソーパズルの1ピースが後のキーとなります。

『言えない秘密』『藍色夏恋』のグイ・ルンメイちゃんが、成長して大人になった姿でちょっとだけ出演。