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大巨獣ガッパのドントのレビュー・感想・評価

大巨獣ガッパ(1967年製作の映画)
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67年。日活が満を持して制作した大怪獣映画にして、日活最後の大怪獣映画である。スクープに目のくらんだ雑誌社が南の島から奪ってきた怪獣の子供を追って破壊神・ガッパが日本に襲来、熱海とか河口湖近くとか工業地帯を蹂躙する。
気合の入った特撮と大破壊(湖で暴れたせいで津波というのは新しい)、他社との差異を出してやろうとの凝った演出の数々が楽しいのだけど、まずガッパのデザインのこの、かっこよくもなくかわいくもなく、何とも言えず不格好な様子に魅力を感じられない。ろくでなしだらけの人間ドラマもノリが悪い。
親子愛シーンの「怪獣だけど抱き合う」「涙さえ流す」「それを見てた人間たちも皆エモくなる」の流れ、「子供に飛び方を教える」場面、いかんせんガッパの顔が不気味に怖いのであんま感動的にならない。長所もあれど全体としての凸凹なモッタリ感、グルーヴの足りなさが否めない。その分主題歌はやたらグルーヴィです。怪獣映画としては面白い方だけど、「それなりに面白い」にとどまってしまった作品ということか。
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