黒澤明監督作品
武田信玄の影武者として生きた一人の男の悲喜劇と、主人の遺言を守りながら戦場に散っていった家臣たちの辛苦を描く
製作総指揮としてフランシス・F・コッポラとジョージ・ルーカスが参加しているようです
ガツンと重厚感のある3時間もの超大作ですが、わかりやすい時代劇なので歴史的背景をそれほど知らなくともすぐに物語には入り込めるし、特別大きな盛り上がりはなくとも壮大な世界観に圧倒される
これほどスケールの大きい映画だと、中身と関係なく観ているだけで問答無用にワクワクできるから凄い
3人の引き画の掛け合いの長回しで始まり、無常なラストシーンの仲代達矢が亡霊のように彷徨う『乱』とそっくりなシーンが印象的
あえて省略を重ねるダイナミックな合戦シーンの演出の巧妙さが光り、大量の馬やエキストラを使う敵味方入り乱れた描写に息を飲む
正直過去の傑作群と比べるとパワーダウンしている感はあるし、決してテンポがいい訳でもないので長いと感じてしまう部分もある
しかし画の撮り方は言うまでもなく圧巻の美しさで、この色彩は誰であっても再現不可能
仲代達矢はどうしても勝新太郎と比べられてしまうのが不憫でなりませんが、本作では影武者そのものといえるほどに見事に演じきっています
比較的賛否両論となっており、制作の過程で揉めた話が有名な作品ですが、蓋を開けてみればやはり黒澤映画は格段に素晴らしかった👏🏻
〈 Rotten Tomatoes 🍅88% 🍿92% 〉
〈 IMDb 8.0 / Metascore 84 / Letterboxd 4.1 〉
2021 自宅鑑賞 No.064 U-NEXT