「始まりがあるものには全て終わりがある」
前作のラスト、現実世界とマトリックスの狭間に取り残されてしまったネオ。
トリニティーは眠り続けるネオを見守ることしか出来ない。
また、「救世主の秘密」を知ってしまったモーフィアスは戸惑いを隠せない。
そして機械軍はザイオンへの侵攻を続け、市民に志願者を募った人類軍は必死に防御線を張っていた。
一方、新たな能力を手に入れ強力になり過ぎたスミスは制御不能になり、マトリックスはおろか現実世界にとっても重大な脅威となっていた。
そんな中、何とか復活を果たしたネオは予言者オラクルから最後の託宣を受ける。
その予言に従い、マシン・シティーの中心部へ向かう決死の旅に出るネオとトリニティー。
人類と機械の命運を賭けた最後の戦いが始まる...。
何と言っても見どころは、ザイオンを死守する人類軍と機械軍の攻防戦だ。
ローダーを駆使した銃撃戦で、機械軍の侵攻を食い止めようとする最後の戦いは興奮必至。
ネオとスミスのラストバトルよりはるかに燃える観応えだ。
だが、前作と本作は前後編のような構成になっており、本作だけではこの物語世界を理解しずらい状況になっている。
しかも、前作『リローデッド』で物語の核心部が露わになり一段落したせいで、「人類と機械が力を合わせてスミスと闘いました」に要約できてしまうほど内容は薄い。
正直、作品としての印象や映像の衝撃度も薄く、観客がマトリックスの最終章に求めたものは、こんな感じじゃなかったと思う。
2作目7割、3作目3割程度に圧縮し、合わせて一本の作品としても良かったのではないか。
少し残念な最終章だったな。
2020/05/26