89年のクリスマスから90年のクリスマスまでのNYのボロアパートを舞台とした群像劇。
そもそも元のミュージカルを知らなかったからちょっと調べたら、いろいろと面白い経緯で生まれた作品だとわかった。この映画も舞台のオリジナルキャストたちが役者をつとめていて、珍しい映画化の仕方のよう。
HIV、セクマイ、ドラッグなどのリアルな問題がミュージカルで語られるところがミュージカル公開当時としては新鮮だったのだろう。今もその影響を受けたと思しき作品はよく見るので新しさは感じないけど見応えあった。
バラバラになった彼らがある出来事をきっかけに再び集まるが、そこで恋愛的なことが思ったように解決したりしないところが意外。不思議なところで話が終わるように感じた。
音楽が総じていいんだけど、オープニング以降何度か出てくるSeasons Of Loveって曲が一番いい。あと結婚式での喧嘩の曲もすごくよかった。ロック調の曲はあんまり好きじゃないけど音楽は多彩。
演出は悪いところ特に感じたりしなかったけど特別優れたところも感じなかったな。クリス・コロンバスってけっこう凡庸なのでは。この作品への愛は強いみたいで、美術とかはよかった（ハリーポッターも美術が良いものね）。
クオリティはすごく高いのに、アメリカらしいネアカなノリにいまいちついていけぬまま見終わっちゃったのが惜しかった。00年代がいまちょうどハマりづらい時期なのというのもあるかも。
