ホイットモア大統領

グロリアのホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

グロリア(1980年製作の映画)
4.3
ジョン・カサヴェテス繋がりで鑑賞。主役は自分の嫁。
これも午前十時の映画祭での上映時に観れず、ようやく観た感想は「やっぱ観たかったなー。」

グロリアは組織のボスの元情婦で、逆らえばどうなるかは承知済み。子供嫌いなのに、預けられた男の子フィルは赤の他人でしかも生意気ときた。
しかし、相手が誰だろうと自分がどうなろうとも、フィルを守るため度胸1つで組織に立ち向かってゆく。ゆえに本作は正真正銘のハードボイルド・ムービーだ。

ジーナ・ローランズの太々しさと、ジョン・アダムス君演じるフィルの “自分はもう大人” という態度がもう水と油。そもそもグロリアには、命をかけてまで見ず知らずのフィルを助ける義理はないし、恐らく過去に子供がいたこともないと思う。

それでも気にかけてしまうのは、やはりグロリアが “女性” だからであり、アウトローと母性が共存したキャラクターは本当に魅力的でした。加えて、ジーナ姉さんのキツい目つきに若くない見た目と年齢が、組織と対立できることへの説得力に変わっていたと思います。

また、本作はアクション映画というよりドラマ映画です。OPこそ爆破シーンがありますが、以降は逃避行にしてもそんな激しいシーンはない。ただ逆に会話自体もそんなに多くはないんです。
でも、互いが互いを必要とし、そこに生を見出す中で徐々に距離を縮めていく過程は言葉なくても必然であり、その後のフィルの独白シーンはめちゃくちゃ感動しました。

エンドロールも斬新で、いつまでも余韻を残す素晴らしい演出・音楽だと思いました!その音楽担当はビル・コンティさん。この人やっぱり凄い人ですよね。