ksr1702

ドッグヴィルのksr1702のネタバレレビュー・内容・結末

ドッグヴィル(2003年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

こんなに風景というものがない映画は始めてみた。
でも最低限の小道具とナレーターとセリフの細やかな配慮のおかげか、風景を想像しながら映画を楽しむことができた。
風景をつくりだす映画としての役目を見る側にゆだねたことで映画としては新たな楽しみが生まれている。
それはどちらかというと本を読んでいるときの楽しみに近く、また創作の喜びにも通じるところがあるように思える。
そして風景を無くしてしまうとカメラに映るのは人間だけになる。
心の弱さを必死に隠そうとする人間の醜さとその無意味さ。
ドッグヴィルの人達はクズばかりに見えた。
でも残念なことに彼らと同じ弱さと醜さが自分にもあることを映画を見ながら思い知らされた。
映画を見終わったあと自分も死ななければならないような気がしたのは自分だけだろうか。
どうかこれが人間の本性であって裁かれるべきものではないことを願いたい。
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