滝和也

名探偵コナン 迷宮の十字路(クロスロード)の滝和也のレビュー・感想・評価

3.7
義経と弁慶… 
その出会いとなる地
古の都、京都…。
義経記に隠された謎、
淡き初恋の幻を追う
雅なる京都旅情ミステリー

浅見光彦シリーズ
「京都義経殺人事件」
では無くて…

「名探偵コナン 迷宮の十字路」

名探偵コナン劇場版第七弾(^^) 京都を舞台にした旅情ミステリー、西の高校生名探偵服部平次活躍編です(^^)

東京、大阪、京都と一夜にして起こる連続殺人事件。弓、刀での斬殺された被害者たちは源氏ボタルと名乗る古美術品窃盗団の一味だった。全員が義経記を持ち義経の家来をコードネームとして使っていたためその名で呼ばれていた。西の高校生名探偵、服部平次は大阪で殺された犯人が知人であったため、捜査に乗り出す。その頃、コナン達も盗まれた仏像の謎を解き明かすため、京都に到着していた…。

冒頭書いたお遊びの如く、正に浅見光彦を思わせる旅情ミステリーです。京都の義経に纏わる観光地が次々と紹介され、京都らしいお茶屋や舞妓さんも登場、京都に纏わる手毬唄が謎に絡むと言う。

浅見光彦に一時期大分ハマり何冊も読ませて頂き、今作にはその匂いを感じました。前作はコナンがホームズに、今作は服部平次が浅見光彦に、とまでは言いませんが、旅情を感じさせますし、和物サスペンス感たっぷりです。(まぁ服部平次は親が大阪府警トップ、浅見光彦は兄貴が警視総監と似てはいますが(笑))

今作はアクション面、ストーリーテラーとしても服部平次がメインで人気キャラが多いコナンの強みが発揮されています。層が厚いとでも言いましょうか(^^)

バイクアクションによるチェイス、ラストは何と剣戟活劇になると言う(笑) まぁ楽しませてくれます。また平次の幼少期の初恋の相手は誰かと言う和葉ちゃん、ドキドキのラブコメも楽しく拝見させて頂きました(^^)

前作に比して、やや2時間サスペンス的な所もあり、スケールはダウンしていますが、(犯人含めて(笑))コナン、平次のコンビはラストの和尚の言葉通り、お見事。正に義経と弁慶並みのコンビネーションです。

名探偵コナンは長期アニメだけあって、登場人物が多く、厚みがあり、世の東西のミステリー全てに変幻できる強みがありますね。段々何でもありになりそうだけど…(笑)
滝和也

滝和也