タスマニア

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Qのタスマニアのレビュー・感想・評価

4.0
2020年153本目。

4作目の公開もなんやかんやで近づいている(はず)なので、改めて見ることに。
やはり、序破Qの中では一番Qが好きだな。
エヴァの世界観の理解の難しさはさておき、碇シンジくんをとりまく大人達のスタンスの身勝手さと、それを差し引いても人をイライラさせる天才の碇シンジくんの振る舞いがとても面白い。
それでいて、なんかちょっと共感したり同情したり、身に覚えがあったり。
「エヴァンゲリオン新劇場版シリーズにおけるサードインパクトの14年後の話」というよりは「アイデンティティを確立する前に、周りの大人や環境に翻弄された少年がどうなるか」という育成論みたいな感じで、エヴァンゲリオンシリーズに思い入れがなくても楽しめた笑

Qの展開を飲み会に例えたコピペが有名で秀逸だけど、この映画を見るたびにあのコピペを見たくなる笑

とりあえずヴィレのメンバーは説明しなさすぎるよね笑
浦島太郎状態の齢14歳の少年なんて、アイデンティティも確立できていないし、思春期真っ只中。
その上、碇シンジくんなんて独特な環境で育ち、自己肯定感皆無・承認欲求MAXな少年なんだから、あれだけ信頼できる大人に期待されたら頑張っちゃうよ。
そんな状態で周りの人間が皆掌を返したような態度を取ったら頭ぐちゃぐちゃになっちゃうよね笑
アスカが「馬鹿というよりガキね」と言っていたけど、14年間の歳月って大きいからアスカにとってガキなのは当然だと思っちゃった。
他の人間がただ歳をとって自己を確立して、大人になっただけ。

という感じに、これだけ熱が入るのは
自分も歳を取るにつれて、碇シンジくんに近づいている気がするから。
いや、本来は歳を取るにつれて、彼から離れていくべきなんだけど笑
自分を見つめ直せるようになればなるほど、自分の中に彼のような人間性や側面が見えてくるようになり、共感が強くなってきた。
なんか、仕事で少しでも人に認められたくて、自分が僅かでも自信を持てる分野で良かれと思って一生懸命頑張った結果、「余計なことすんなよ」って言われるってことだからね。うん、間違いなく拗ねるね笑
「良かれと思って」というところが独善的で子供なところっていうのも自覚しているけど、それでもそんな碇シンジくんがちょっと好きだわ。
ガキなのは間違い無いけど笑

なんか、この感覚を他の作品でも味わったことあるなって思って
ちょっと考えたら思い出した。
「テイルズオブジアビス」のルークだ(わかる人にはわかる笑)
詳細は伏せるけど、あのときのルークにも今作の碇シンジに感じたような同情と共感と呆れが少し混じったような感情を抱いた気がする。

そして、どちらの作品でも
アビスの方ではガイやティアの気遣いがあったり
エヴァの方ではミサトさんも首の装置使えるチャンスでボタン押せなかったり
アスカは最後迎えに行ってあげたり
根底でシンジくんに対する愛情や同情が感じられるのは人間的で好きだな。
恋愛なのか、家族愛なのか、友愛なのかは置いといて。

カオルくんとの連弾のシーンは良いシーンだけど
同時にカオルくんのキャラクター性やセリフを鑑みても、庵野監督はやっぱり変態なんじゃ無いかなって思った笑
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