まるちよ

ザ・インシデントのまるちよのレビュー・感想・評価

ザ・インシデント(2011年製作の映画)
3.5
精神病院で台風による停電が発生、患者が院内をうろつく中バイトのコックが頑張って脱出しようと奮闘する話。
舞台や演出がホラーゲームのOutlast好きならすごい刺さる。
怪物や幽霊ではなくて何をしてくるかわからない精神病患者ってのが不気味な恐怖を掻き立てる。

予備電源がどうして利かないの?とか従業員少なすぎるんじゃない?とか細かな点はとりあえず置いといて、怪物映画のような恐怖ではなくとにかく何が起こるかわからないお化け屋敷的な感覚が新鮮で良い。
特に、電話をしている職員だと思ったら実はパンツ一丁の患者でした、っていうシーンは滑稽な描写にも関わらずどうしようもないシチュエーションということを嫌でも自覚できる良いシーンだった。
レイプされた女性職員がブルブル震えて捨てられていたり、仲の良かった患者が無邪気に攻撃してくるところとか、徹底的に希望が持てない展開は下手な対決モノホラー映画よりよっぽど面白い。

ロブ・ゾンビの「31」や、「マンディ」ですっかりサイコ野郎として定着したリチャード・ブレイクが悪者として出てくるんだけど、やっぱりこの人ってどの映画出ても似たようなイカれた役柄がぴったりくる。

ラストもこの映画らしい締め方で寧ろ良かった。
冒頭から淡々として進行だけど、短くまとまっていて見やすいホラー映画。

◆良いところ
- ありそうでなかった舞台と設定が良い
- 変に精神病患者への忖度が無くて良い
- 変に対決モノにしないところが良い

◆悪いところ
- 設定に矛盾が多い
- 回収されていない布石がある
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