うっちー

プンサンケ/豊山犬のうっちーのレビュー・感想・評価

プンサンケ/豊山犬(2011年製作の映画)
3.4
 不思議な映画。脱北者の手助けをしたり物を運んだりしている、屈強かつ押し黙ったオトコ、ユン・ゲサン。目つきが悪いがすこぶるカッコいい。最近この人が気になってならない💦

 南に逃げた元高官が愛人を呼び寄せる事から始まるストーリーだけど、この脱北がまあ危ないわ、色っぽいやら。だってツルツル美人のギュリがゲサンにおぶさって、体はドロドロ。

 でもって再会したおじさんは、ゲサンを見た途端にジェラシー妄想が爆発。何度も何度もギュリに詰め寄る。だけじゃなく運転中のゲサンを叩いたりして暴れるw w w
演じているのは『ミセン』のコ部長のジョンス氏。笑える。

 あとは暴力と南北のならず者と諜報機関かなんかの対決。暴力にはリンチがたくさん出てきて、その多くはゲサンが受ける。あの、最後の方の、工具使ってキコキコやるのが酷い。音、しぐさ、悲鳴にならない声…。あ、こういうところ、キム・ギドクぽい(脚本でした💦)。この人って、リンチならリンチ、男性や女性の感情パターンの自分が思いつくパターンを表現特徴ごとに並べて、そこから脚本書いてるんじゃないかなぁ。整合性とかバランスとか自然かどうかなんてあまり考えないのでは? それが不思議でもあり、魅力でもある。

 ひたすら不気味で、怖くて、ちょっと笑えて、哀しい。なんとも不思議だけど、ゲサンがめちゃくちゃカッコいい作品。
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