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ル・コルビュジエの家のrage30のネタバレレビュー・内容・結末

ル・コルビュジエの家(2009年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

窓のリフォームを巡る、隣人とのトラブルを描いた、コメディー映画。

隣人トラブルを通して、人間の厭~な部分を炙り出していく作品で、個人的には『ザ・スクエア 思いやりの聖域』を思い出しました。

主人公は有名なデザイナーなんですが、とにかくまぁコイツが厭な奴でして。
何が厭かって、人を見て対応を変えるんですよね。
強面な隣人や妻相手には文句を言えないくせに、自分より弱い相手や安全圏からは強気になってバカにしたり。
器が小さいと言いますか、人を見下しているところが鼻につくキャラクターでした。

そうやって人を見下ろしているから、彼は人の正面に立って、まともなコミュニケーションを取る事が出来ない。
やや強引とはいえ、主人公と正面からコミュニケーションを取る努力をしていた隣人とは対照的でしたし、映画のラストで彼が隣人と向き合わずに、隣に座るのも象徴的と言えるでしょう。

単純にコメディーとしても面白いし、「自分だったらどうする?」と考えるのも良いし、格差社会における分断の風刺にも見える本作。
話し合いで全てが解決するとは思いませんが、話し合いを放棄した先には、ろくでもない未来が待っているのだと、自戒しておきたいものです。



余談
そんなに覗きが嫌ならカーテンでも付ければ良いと思うのですが、南米ではカーテンを付ける文化がないとの事。
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