Jun55

戦争と人間 第一部 運命の序曲のJun55のレビュー・感想・評価

4.3
日本の近代史を学ぶ中で、いよいよ昭和初期へ。
何故、当時の日本は拡張主義に進むことになったのか、特に満蒙地区への進出の実態は?
ひとつの要因として新興財閥と軍部の結びつきが関心を引くところになり、情報を辿ると、この「戦争と人間」に行き着く。
五味川純平の長編小説を読む代わりに日活大作のこの映画へ。

この映画に出てくる伍代財閥は日産コンツェルンの鮎川義介がモデルになっているといわれ、勿論、映画としてはフィクションではあるが、多くが史実に忠実に描かれていると思う。(この辺りの歴史小説は数少ないので、この作品はその観点でも助かる)

舞台が戦時中であり、緊張感が大切だと思うのだが、豪華な俳優陣の演技は勿論のこと、舞台設定へのこだわりもあり(資金を投入)、真に迫るところあり。

エンターテイメントの中にも戦争という大きなテーマに確りと対峙しているところは、発表された1970代という時代の為すところか。
今観ても色褪せないどころか、若い世代を含めて、多くの日本人がこの時代の歴史を学ぶべきだと思った。

まさに「戦争と人間」であって、「人間と戦争」ではない。

第二部、三部も楽しみだ。
Jun55

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