ねこ無双

ラブ・オア・マーダー 愛欲殺人のねこ無双のレビュー・感想・評価

3.5
『聖し血の夜』が面白かったので、同じ監督のもう一作をレンタル。
70年代のクライムサスペンス。

製薬会社の社長と共に失踪した自分の妻の行方を、探偵と共に追う男。
秘密を知る女が語る回想から、妻がそのまた別の男と恋に落ちた事を知る。
豪華クルーザーでのセレブな喧騒、ドラッグ、痴情、殺人とストーリーが進みます。
ドラッグに操られた女はどこへ消えたのか。

冒頭のドラッグ実験映像を写した古いフィルムのような雰囲気が不気味。
でも、その雰囲気はそこだけ…。
このマッドサイエンティストっぽいところは好み。

原題はkemek 。最後の2文字ekが反転していて、これはストーリーに関わるドラッグkemek の特性を表してます。
これを摂取すると、悲しみが喜びに、殺人したくなくても殺人したくなる、という悪魔のドラッグ(らしい)。
こんなタイトルじゃなくて、原題のままでいいのに…!

マッド、サイコものを期待してたら、どうやらクライムサスペンスのようで。このいかがわしいような、胡散臭いような雰囲気は結構好きです。
わざわざこれ目当てにレンタルしにいく感じじゃないとは思うけど。
私は意外と楽しく観れちゃって、思ってたよりも点数高めになってしまいました。

湖に浮かんだ死体を遠くから一列に並んだ人影が見てるシーンとか、ドラッグでの幻覚シーンとか、印象深い。
男が立ち去ってゆく飄々としたラストも良い。


小噺:

消えた女と恋に落ちる男はハエ男の恐怖(50年代版)の主人公だったデヴィッド・ヘディソンさん。
消えた女を演じるアレクサンドラ・スチュワルトさんは、鬼火とかロゴパグとか出られてた美女。(でも、記憶に無い…)
探偵二人組が主役のように見えたけど、
この二人が今作の実は主役。

監督はテッド・ガーシュニー名で、テレビシリーズ、新フロム・ザ・ダークサイドにも監督参加されてたみたいです(他にはトム・サビーニも監督として参加)
他の作品も観てみたかったけど、見つけられず。