おらんだ

チャーリーとチョコレート工場のおらんだのレビュー・感想・評価

3.8
ウォンカ社のお菓子は世界中で大人気。だが、その製造方法は完全に非公開だった。ある日、「生産したチョコレートの内、5枚にだけ金のチケットを同封し、引き当てた子供を工場に招待する」という広告が出される。貧しい家庭に暮らす少年チャーリーはチケットを引き当てるのだった。

嫌な大人特有のうがった見方をするならば、「勝者になりたければ品行方正に。欲求をストレートに表現する子どもらしさは捨て、スマートな大人になれ。」が教訓。チャーリーがあまりに模範的すぎる。しかも大人の価値観における模範。物語をわかりやすくする為とはいえ、こんな子どもいねーよ。

個人的にこの映画の好きなところは、いけ好かないガキどもの顛末、からのウンパルンパの皮肉たっぷりの歌とダンス。グロテスクにも近いファンタジーの世界でのシニカルな笑いが実に楽しい。こういうブラックなところは流石ティム・バートン。

子どもの頃のピュアな視点で観られなくなっている為、ハートウォーミングな部分より、ブラックジョークやおふざけ等に着目してしまう。これは「成長」と捉えるべきか「汚れた」と捉えるべきか。

一方、大人になったからこそ考えさせられる場面というのもあるけれど。例えば、金のチケットが当たったのを見たときの店員の「誰にもわたしちゃいけない。まっすぐ家に帰るんだ。」というセリフ。果たして、今の自分にこれが言えるだろうか。

一昨日はバレンタインデー。まぁ、日本では只の「チョコの日」ですが。頂いたチョコを家でポリポリと嚙りながらこの映画を観ました。いやー、なかなかオツな物ですね。
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