映画大好きザウルスくん

デス・リベンジの映画大好きザウルスくんのレビュー・感想・評価

デス・リベンジ(2007年製作の映画)
2.5
突然現れた怪物の軍団に息子を殺され妻を拐われた農夫ステイサムが、仲間を集めて復讐の旅に出るファンタジー冒険活劇。まず『ロード・オブ・ザ・リング』以降に作られたこのジャンルの作品はどうしても見劣りしてしまうという可哀想な宿命を背負っていますので、できるだけ優しい目で観てあげたいということだけは先に明言しておきます(ちなみに本作、ギムリ役のジョン・リス=デイヴィスさんが味方の魔法使い役で登場していましたね🥳)。

その上での本作ですが、残念なからヒドかったですね…。珍しいステイサムのソードアクションはキレがあってカッコ良かったし、大金を掛けているだけあって衣装やエキストラの数などは見劣りしない程度のクオリティを保てていました。問題はそれ以外の脚本や演出の全てです。

まず1番の見せ場である合戦シーンですが、誰も服が汚れないので闘いの悲惨さや時間経過が全く感じられません。それに加えて斬っても斬っても血が飛び出ないし、斬った剣に血も付かないという現地味の無さ。おまけに歳を食った王様が自ら戦場で剣を振るっていたために、弓で射抜かれる始末。滅多に見ることができない「いきなりキングが取れたよい」状態ですね。アホすぎます🤪

そして実は王様の息子だったことが明らかになったステイサムが王の座を継ぐのですが(原題の『In the Name of the King』とはこのこと)、ずっと農夫だったステイサムが急に「今から俺が王です」と言ったところで周りの兵士はそんなに勇気付けられるもんなのかな?さらに王と分かった後もステイサムは農夫の服装のままで甲冑などの防具は一切着ません。そんなことしてるとまた王様死んじゃうぞ?いいのか?

ラストバトルでは悪の親玉にして魔法使いのレイ・リオッタとステイサムの一騎打ちがありますが、リオッタがあまり魔法を使わず普通に剣で闘っている時間が長いです。そしてようやく魔法を使ったな(ここで使う魔法は本作の数ヶ月前に公開されている『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』のラストでダンブルドアがヴォルデモートの動きを封じた魔法と少し似ています。パクったのかな?)と思ったら早々に不意を突かれてリオッタ死亡。力が開花したばかりの味方の魔法使いがステイサムの援軍に駆け付けたのですが、彼女がいなくても勝てたのではないかと思えるほどアッサリとした最期でした。

他にも妻が拐われていて一刻を争う状況なのにコメディタッチな冒険をしているステイサムが能天気すぎたり、とにかくツッコミ始めたらキリのない作品でした。基本どの作品でも面白いステイサムですが、彼の強みである色気のあるセクシーなアクションが活かしづらいファンタジー世界との相性は悪かったみたいですね(ゲーム原作だからあまり設定をイジれなかったとかあるのかな?)。これだったら本作の続編で主演に抜擢されたドルフの方がまだファンタジー世界との相性が良かったように思えます。とにかくこんなに長く感じた2時間は久しぶりでした。以上です😇