ばーとん

この庭に死すのばーとんのレビュー・感想・評価

この庭に死す(1956年製作の映画)
3.8
極めてシンプルでサスペンス要素もきっちり押さえた、ブニュエルらしからぬエンターテインメント。ルイス・ブニュエル監督作と言われなきゃ分からない。AJクルーゾーでも観てるかのよう。(シャルル・ヴァネル出てるし)後半から「皆殺しの天使」のような展開になるものの、不条理テイストは少なく、あくまでエンターテインメントの体裁は保っている。
ミシェル・ピコリ演じる神父の救いがたい偽善者っぷりや、密林の中でドレスアップしたり無駄にエロいシモーヌ・シニョレ、彼女が年寄りを誑かすくだりなど、お馴染みのブニュエル節が見られる。ラストはマッチョな放浪者と聾唖の処女がブラジル目指して出航するという、なんだか意味ありげな終わり方。
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