60～70年代のサイケデリック・ムーブメント期に神格化された人物、ティモシー・リアリー博士の半生を追っている、ドキュメンタリー作品。かつて、レオナルド・ディカプリオ主演の伝記映画の企画があったのだが、現在は頓挫している。
ベトナム戦争、人種差別、男尊女卑など、アメリカ国民が抱えていたフラストレーションが一気に爆発した時代の出来事。「変わらなくてはならない！」と決起した若者たちが、良い意味でも悪い意味でも意識改革を始める。
そんな最中に登場したのが、「Turn on,tune in,drop out」（「内観」に近い概念）を掲げる、ティモシー・リアリー博士。彼はLSDの有効的活用法を大真面目に研究するのだが、当局から危険人物とみなされて、無実の罪で収監させられてしまう。
アメリカン・ドリームを追い求める人間たちの種々相が多角的に捉えられており、夢追い人と狂人の表裏性が伝わってくる。劇中で流れる、The Moody Blues「Legend Of A Mind」の女性ボーカル・バージョンが、ヘビー・ローテーション必至。
