ホイットモア大統領

サンゲリア2のホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

サンゲリア2(1988年製作の映画)
4.3
ヨーロッパゾンビ巡り⑤
【イタリア編⑵】輸入盤Blu-rayで鑑賞。

「'Til yesterday, it was my job.」

『サンゲリア』の全く繋がりがない続編。
原題:“Zombi(e) 3”

そもそもフルチ監督が完成前に急病で倒れたため、ヴィンセント・ドーンことブルーノ・マッティ監督とクラウディオ・フラガッソの迷コンビが勢いで仕上げた作品。

収録されてるマッティのインタビューによると、フルチ60%:マッティ40%らしい。とりわけ、オープニングとエンディング、防護服兵士が出てくるシーンはマッティだってよ。あとは記憶に無いって。まあ60%なら「フルチ監督作品」と名乗られても間違いではないわな笑

笑ったのは「フルチは昔気質だからダメだと思ったらやめるけど、俺(とフラガッソ)はミスしても脚本をリライトして撮り直せる」と、ドヤッてたところ。いやいや、そのせいでこんな珍品ができてるんですが?ww

けど、久々に見てもやっぱおもしれー笑

ストーリーは、極秘の細菌兵器漏洩を巡って行われる科学者と軍人の対立、前述の防護服兵士による封じ込めに、訳もわからず巻き込まれる市民という完全なアレ。

ゆえに『サンゲリア』というよりロメロの『ザ・クレイジーズ』のオマージュ…いや、パクリなんだけど(笑)、品質低下&汚さ増強で、むしろトロマ的でもある!

本作に出てくるゾンビは一応ノロノロと動くやつが大半だけど、お化け屋敷のように人が来ると飛び出してくるやつや、武器を持って攻撃してくるやつ、終いにはどうやってそこに登ったん?というところからジャンプ・アタックしてくるやつまでバリエーションが豊富!

特に語り草なのが、超高速でナタを振り回すやつと、冷蔵庫に入れられていてピョーンと飛んでくるゾンビ頭!

これらゾンビや兵士との戦いになると、RPGの戦闘BGMみたいな音楽が流れるのが草ww
というか、主人公一行がホテルで置きっぱの銃を入手したり、唐突に最強隠し武器を見つけたりするから、本当にRPGだったのかもしれないww

一方、主人公側には軍人がいるので、ゾンビとの戦いはプロレス!ゾンビさんも執拗に首絞めを狙ってくる。
ゾンビにおもいっきり殴られた後、わざわざカメラの方に向き直って血を吐いたり、頭突きしたり一本背負いしたりで、見ていて楽しい笑

そんなロメロとトロマのハイブリッド、“トロメロ” 映画にして連続するアクションと爆発は、単なる珍品と捨てきれない魅力がある!汚い!安い!多い!の定食屋。

しかしラスト、10体ぐらいに馬乗りにされても感染しない兵士にはビックリだし、ラジオDJのアレ、レイ・チャールズが生きてたらブチ切れ案件だろうなwww