もものけ

サンゲリア2のもものけのネタバレレビュー・内容・結末

サンゲリア2(1988年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

血しぶき舞い、ガチンコで殴り合うゾンビアクション映画なのよねぇ〜……。

最悪のウィルス薬品デスワンが盗まれ、感染者を駆除すべく軍隊が派遣される。
休暇中のアメリカ兵士は、バカンスを楽しむグループと合流するが、感染した鳥に襲われ命からがらホテルへ逃げ込む。
しかし、そこはゾンビの巣窟だったのだ…。


感想。
ストーリーを書くのも大変なくらい、適当いい加減に制作されたイタリアホラー映画でありますが、不思議と惹かれるゾンビ映画です。

ルチオ・フルチ監督が途中で降板するという名作「サンゲリア」の続編なのに、相方監督のセンスのなさは神がかっており、逆にツッコミながら楽しんで鑑賞する作品となっております。
名作「サンゲリア」の雰囲気をぶち壊して突き進む相方監督には、そのこだわりを感じます。

再び開くと暗くなっている部屋。
いきなり廃墟になるホテル。
どうみても廃墟のガススタンドへ助けを求めるパトリシア。
突然走れるパトリシア。
意味のないバリケード。
突然出てくる火炎放射器。
そして、使えない火炎放射器。
筆記テストだけで作れる治療薬。
ゾンビなのに、ガチンコで殴り合い。
友を置いて浮上するヘリコプターと、全編ツッコミの嵐で、終いにはスタッフが写ろうと撮り直さず使ういい加減な制作には、もはやギャグの領域です。

しかし、シーン毎にたまにあるインパクトは印象的で、それが魅力になるほど、他は全てがダメダメな潔さには、魂を感じます。
個人的には、マチェットを振り回すゾンビの迫力と、傑作ゾンビホラー映画「バタリアン」へのオマージュである冷蔵庫からゾンビヘッドのシーンは大好きです!

映画大好きで才能が追いつかない相方監督が憧れる作品であろうシーンであろう、傑作作品へのオマージュ。
「バタリアン」「ゾンビ」「プラトーン」など、真似をしたかったシーンをチープに取り入れるなど、涙をそそります(笑)

イタリアホラー映画は、ゴア描写を撮りたい為の脚本としか思えない継ぎ接ぎだらけで、適当なストーリー展開が王道ですが、カルト人気を博すゴア描写が最大の魅力で、場面の出し方撮り方など独特な雰囲気を持つ監督達が作品を創り出しております。
しかし、アクション映画が下手なのが分かっているのか、スローテンポで描く作品が多いのですが、この相方監督はアクション映画でゾンビ作品を撮ってしまい、どうしたらいいのか分からなくなって撮影している苦悩が手に取れるくらい、背伸びし過ぎ感が作品に現れており、やはり名匠ルチオ・フルチ監督が最後まで監督であれば、もっと良かった気はしました。

まぁまぁ楽しめ、名作の続編とのこともあり、3点を大盤振る舞いで付けさせていただきました。
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