ねこ無双

淫虐地獄のねこ無双のレビュー・感想・評価

淫虐地獄(1971年製作の映画)
3.5
タイトル凄いでしょ。
でも、そんなに淫でもないです。
導入部分が女性の妖しげなスキャットから。
コメディではないんだけど、どこかユニークさを感じる怪奇ホラー作品です。
バーヴァの『呪いの館』にも出てるエリカ・ブランさん主演。

舞台となる古城が荘厳で素晴らしく、雰囲気満点。
七つの大罪になぞらえていて、この人の罪は何かな?と考えるのも楽しかった。
(『セブン』とは全く無関係です)
七つの大罪なんで、殺し方もバリエーションあります。

雷鳴轟く中、一夜の宿を借りにフォン・ロンベルク城へ来た7人のバス旅行者たち。
城の男爵と執事が出迎え、招き入れる。
神学生
中年の夫妻
ツアーガイド兼運転手
偏屈ミスター・メイソン
若いエロ美女二人
そしてそこへ神出鬼没な城当主の娘

次々と城の家系の者が不審死した歴史や、錬金術をしている男爵、屋根裏になぜかある拷問具のオンパレードなど、妖しさ満点。
門を抜けての荘厳な城も雰囲気抜群でした。

ギロチン斬首なんてあるけど、特殊メイクは昔風なのでそんなに怖くありません。
美女が鉄の処女(という拷問具。人形型の鉄の棺の中には鋭い幾多の巨大針)に抱かれて絶命するシーンなどもみどころ。
鉄の処女の扉が締まると、棺の下から血の海がたら〜と溢れてくるシーンが好き。

7つの大罪に沿った殺人や、
悪魔と神学生との丁々発止、
変貌すると大魔神メイクになっちゃうフォン家の長女、
女性同士のエロな絡みサービスなど、愉快でした。
ちょっとスローテンポにも感じるけど、素敵な映画です。

食欲の罪に値するガイドさんがほんと食いしん坊で、カバンの中にでっかいソーセージ隠し持ちながら、片手ハンドルでチキン食べて運転…とか、
ちょっと誰か止めましょう。

サントラは
アレッサンドラ・アレッサンドローニ。
『荒野の用心棒』でメインタイトルの口笛演奏も担当されて、イタリアの至宝なんて書かれてましたけど…
音楽も素敵ですよ〜。