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ル・アーヴルの靴みがきのBATIのレビュー・感想・評価

ル・アーヴルの靴みがき(2011年製作の映画)
5.0
移民問題やテロやら黒人差別やら辛み、辛みなのだが交互に押し寄せるかわいみが僅かながらに勝り、最終的に慈しみに満たされる。世界は辛く悲しいことを知っているはずのアキ・カウリスマキが慈しみを選び描くことを私は高く評価したい。

カウリスマキのユーモアもファンタジーも世界は冷たく悲しいことを知っているから生まれてくるものであることが分かるから、この取ってつけたような細やかな幸せに涙こそ流さなくとも、世界をまだ愛する価値のあるものと思いたくなるのである。それが幻想であっても。
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