HK

ファイヤー・イン・ザ・スカイ/未知からの生還のHKのレビュー・感想・評価

3.5
ジェームズ・ガーナーの出演作を辿っていたらアマプラでこんな作品を発見。
日本未公開ですが実話ベースの大真面目なUFOアブダクション(拉致事件)ものでした。
主演は『ターミネーター2』の“T-1000”ことロバート・パトリック(当時35歳)。
ジェームズ・ガーナー(当時65歳)はUFOによる拉致を一切信じようとしない捜査官役。

1975年にアリゾナの田舎町で実際に起きて世間を騒がせた「ウォルトン・トラヴィス事件」でトラヴィス本人(カメオ出演も)が書いたノンフィクション小説をもとに制作された作品。
パトリックら6人の若者は森林伐採の仕事の途中でUFOに遭遇して逃げ出しますが、仲間の一人トラヴィスの行方がわからなくなってしまいます。

ガーナー捜査官はUFO話をでっち上げとし、彼らをトラヴィス殺人の容疑者に。
5人の若者たちは警察、マスコミ、旧知の町の住民からも疑いをかけられ窮地に立たされますが、5日後に衰弱して助けを求める全裸のトラヴィスがみつかり・・・

昔、矢追純一スペシャルなんかでも見たUFOによる拉致および人体実験の話ですが、UFOやエイリアン・パートよりも、むしろ主人公たちがUFOと遭遇したばかりに田舎町で周囲から孤立していく様子がリアルに描かれます。

かといってUFOとエイリアン(グレイ・タイプ)も手を抜いているわけではなく、短い時間ながらもILMがなかなかの仕事を見せてくれます。
UFO内の描写はもはやホラー。
本当にどこまでが実話なのかはわかりませんが。

ロバート・パトリックはT-1000とは真逆の表情豊かな人間らしいキャラを演じており意外。
『ET』のエリオットことヘンリー・トーマス(当時22歳)も出てました。この頃は『ドクター・スリープ』のときと違ってまだエリオットの面影があります。
ガーナーはウェスタン・ハットはよく似合っていますが、印象に残らない役で残念。

一歩間違えば完全なキワモノとなるところをかろうじて踏みとどまって、なかなか印象深い作品に仕上がっていると思います。

Filmarksさん、早速のジャケ写掲載ありがとうございます。
HK

HK