haru

チャーリング・クロス街84番地のharuのレビュー・感想・評価

3.5
程良い距離感。

ニューヨークに住む作家へレーンは、英国文学のレアな古本を手に入れるべく、ロンドンの古書店に注文。それ以来、担当したフランクと文通が始まり、二人は友情を深めていく。

アン・バンクロフトとアンソニー・ホプキンスの20年に渡る熱い友情。安易にラブを挟まない大人の関係です。今じゃ読んだら即レスが求められる時代ですが、数ヶ月に1回の文通こそ「程良い距離感」!毎日誰かに語れるほどのネタを日替わりで調達できる人って少ないだろうし、本来これくらいがちょうど良い。
へレーンの「ユーモア」が私にはだいぶキツいというか、彼女がたまに図々しいクレーマーのように見えたのは、訳の問題か私の器の問題か。ということで私には彼女の面白さがあまりわかりませんでしたが、フランクには通じていた様子。そもそも当時配給制のイギリスでおいしいものが食べられないフランクたちに、度々缶詰やハムをプレゼントしたりと普通に思いやりがある方です。こうして二人は会ったことはないけど、良き友人となっていく。普段はそれぞれの人生を送っていて、その大半は全然関係ない赤の他人だけど、時々ほんの一部だけ共有する友人。めっちゃ貴重な存在だと思います。
haru

haru