月光のピアス ユメミと銀のバラ騎士団の作品情報・感想・評価

月光のピアス ユメミと銀のバラ騎士団1991年製作の映画)

製作国:

上映時間:70分

4.0

「月光のピアス ユメミと銀のバラ騎士団」に投稿された感想・評価

青二歳

青二歳の感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

すっごい面白い。どうしよう80年代ラノベアニメ楽しい。ラノベ的軽妙なファンタジー(雑)と少女漫画的ロマンス(雑)の塩梅。そして「女の子ってこういうの好きなんでしょ」というおっさん臭のする雑なマーケティングによる少女向け“書式”。このダサさ!最高だな。

あらすじも陳腐というか…既視感だらけで説明しにくい。ただ展開の速さとか論理的な矛盾や飛躍の大豊作でそれだけでも楽しいのなんの。ファンタジー展開のおざなり加減がたいへんよろしい。
話の主軸たるファンタジーもそこそこに、少女漫画的逆ハーレムの展開に力をいれていて、どうもこれが80年代の女子をターゲットにしたアニメにおけるコアと見た。いや逆ハーレムは確かに少女漫画の定石なのだけど、少女漫画の本質はそこではない。
要は“分かってない”おっさんが女子向けラノベや少女漫画のお約束を形ばかり持ってきて組み立てたものになっている。特に単発OVAだから余計そうなのかもしれないし、或いは原作ラノベ自体が男性作者で“分かってない”場合もあるだろうが、この雑さとダサさとズレてる有り様がたまらなく滑稽で愉快である。

1.気の強い或いはガサツなヒロイン(どう見ても作中の顔面偏差値は高いのに平凡な容姿という設定)、2.親しげな幼馴染、3.慕ってくる後輩、4.男装の麗人(当時の流行りらしい)、5.憧れの先輩(弩級のイケメン)…この逆ハーレム集落ごと、舞台をドイツに移してファンタジー展開をあれこれ適当にこなす訳です。
こういう運びはアリですし、属性の配置も逆ハーレムも結構です。でもね…それぞれのキャラクター造形や台詞回しがリアリティ無さすぎて無さすぎて…
初めは「これが80年代少女たちの求めた恋愛書式なのか…?」と冷や汗をかいていたが、だんだんと制作の裏側にいるおっさんの「女の子はこういうの好きなんでしょ?」という浅い洞察に基づくものにしか見えなくなっていった。
少女漫画は感情の機微が(異様に)細かいし、非言語の表現も多いので、行間を読むスキルが要求されるもの。そんな少女漫画で鍛えられた女子たちにこれは笑われるだけですよ…

とりあえず声優陣が異常に豪華であった。ゆえに最後までたっぷりと楽しめました…最近仕事で疲れて顔がこわばっている方、男女問わず強制的に表情筋をゆるめてくれるのでオススメです。