kazu1961

プレイタイムのkazu1961のレビュー・感想・評価

プレイタイム(1967年製作の映画)
3.9
▪️Film Diary
🖋本年鑑賞数 :2021-421 再鑑賞
🖋#死ぬまでに観たい映画1001本 441/1001

🖋ただただ、少しのクスッとした笑いを重ね続けながらの124分。観終わった後に妙にほんわかした余韻が残る作品ですね。凄いセットに多額の資金をかけて、淡々とした笑いを誘うとてもニッチなでも映画好きに評価される名作なんですね。

🖋『ぼくの伯父さん』で知られるジャック・タチが、自らの集大成として多額の資金を注ぎ込んだ野心作です。いつもの通りタチはこの映画でも“ユロ氏”を演じていますが、出演者全員が主役といっても良い本作では、ユロ氏は必ずしもメインキャラクターではないんですね。

🖋 大会社就職のためパリに登場するというおのぼりさんのユロ氏は、近未来の近代的ビルの一つを、面接のために訪れますが、なかなか当の相手に会えない、というすれ違いギャグが本作の軸。延々とすれ違いを描いているのはもう立派。その後は、アメリカ観光団の女性の物語と並行に展開する構成です。まあストーリーはあってないようなものですが。。。

🖋そのために作ったセットの街、「タチ・ヴィル」と呼ばれる、ガラスの超高層ビルや空港・博覧会場・アパート・オフィスなどのモダニズム建築群からなる2500平方メートルの巨大なセットの町がパリ郊外のヴァンセンヌに作られました。これはひとえに、得意のモダニズム批判をを盛り込むためというから凄い!!

🖋また、高画質の70mmフィルムを使用して撮影が行われました。細部へのこだわりからほぼ全ての俳優のパントマイムをタチ自ら指示するといったこだわりもあって、撮影期間は2年、制作費も現在の額にして1540万ユーロというフランス映画では前例のない多額に及びました。フランソワ・トリュフォーら一部の映画人には絶賛されたものの、興行的には失敗。タチは破産に追い込まれています。。。でも2002年にはカンヌ国際映画祭で「新世紀修復版」が上映され、再評価されているんですね。

😊物語は。。。
遠くない将来。パリにやってきたユロは、ガラス張りの超高層ビルが立ち並ぶ街並みと化した慣れないパリ市街で、アメリカの団体旅行客らと共に右往左往します。アメリカから団体旅行でパリ観光に来ていた若い娘バーバラと幾度かすれ違い、夜会にたまたま居合わせたバーバラとユロは共に。。。

▪️Database
🎥邦題 :『プレイタイム』
原題(英題):『Playtime』
🎥製作国 :フランス
🎥初公開 :1967
日本公開 :1969/06/14
🎥上映時間 :124分
🎥受賞 :※※※
🎥監督(製作):ジャック・タチ
脚本 :ジャック・タチ、ジャック・ラグランジュ、アート・バックウォルド
原作 :※※※
音楽 :フランシス・ルマルク
出演(声優):ジャック・タチ、バーバラ・デネック、ジャクリーヌ・ル・コンテ

▪️Overview (映画. comより)
「ぼくの伯父さん」のジャック・タチが膨大な時間と製作費をかけて挑んだ野心作で、全編を高画質の70ミリフィルムで撮りあげたフランス映画史上屈指の大作コメディ。半年以上もの時間を費やしてパリ東部に建設した巨大セット「タチ・ビル」の近未来的な都市を舞台に、就職の面接を受けるためにやって来たユロ氏とアメリカ人観光客バーバラのすれ違いや出会いをユーモラスに描く。公開当時、一部の批評家や映画ファンからは熱烈な支持を得たものの興行的には大失敗し、タチを破産に追い込んだ。タチの没後20年となる2002年にはカンヌ国際映画祭で「新世紀修復版」が上映され、再評価が進んでいる。14年、タチの監督作や出演作をデジタル復元版で上映する「ジャック・タチ映画祭」でリバイバル。
kazu1961

kazu1961