真っ黒こげ太郎

マッドマン・マーズの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

マッドマン・マーズ(1981年製作の映画)
3.7
彼の”名前”を囁くことすら許されない…

その”名前”を言ったら、終わり――――。


(…台詞のパロ元未見なんですけど、ゴア描写在りマスカ?w)




キャンプファイヤーで若者達が語る怖~い話。
そんな中、ヒゲのオッサンが語るとある農夫の話。
何でも彼は家族を虐待しており、挙句妻と息子を惨殺した。
農夫は町の人に捕まって吊るされ、顔面を斧で叩き割られて殺されたが、翌日農夫を含む死体が全て消えていたのだ。
その農夫の名前は口に出してはならず、口に出せばその農夫に皆殺しにされるというのだ。

だが、語り部のオッサンはその名前である「きちがい(マッドマン)・マーズ」を喋ってしまい、調子に乗ったアホな若者はマーズの名前を叫び挑発するのだった。

その後、皆で後片付けをしてキャンプ場に戻る一行。
だが、戻る直前に怪しい影を見つけた一人がその影を追うとそこには怪しげなボロ屋敷が。
更にキャンプ場で密かに殺人鬼が殺戮を開始した。
「きちがい(マッドマン)・マーズ」の話は事実で、恐怖の殺人鬼マーズがキャンプ場に現れたのだ!!!




名前を呼んではいけない殺人鬼の名前を呼んでしまった若者達が、キャンプ場に現れた殺人鬼によって次々と殺されてゆくスラッシャー・ホラー。
「キャンプ場で若者が刈られる」という、明らかにホッケーマスクのナイスガイが活躍する某シリーズをパk…オマージュしてる感がムンムンな作品です。w


お話は特筆するべき点は無いですね。w
「アホなキャンプ場の連中が、殺人鬼にあの手この手で殺されてゆく」という、スラッシャー映画のお約束を忠実に守っており、ある意味安心して観ていられます。w
(人が殺される映画を安心して見れるのもどうかと思うが。w)

殺され方のバリエーションも喉割き、首吊り、首チョンパ等まずまずで、グロ描写もまぁ頑張ってる方かな。
首吊りシーンの苦しみ方はリアルだし、殺された遺体を見てのリアクションも大きく、この手のスラッシャー映画の基礎基本はしっかりしてると思う。
クライマックスもそれなりのハラハラドキドキ感だったりと、スラッシャー映画としての見どころは多いぞ。


しかし90分弱と、この手の映画にしては平均的な尺ながら殺人鬼が姿を現してるのに中々アホ連中が死なないのは困りもの。
18分位で殺人鬼による第一の死者が出て「おお、もう盛り上がるのか!」と思わせるのですが、その後は殺人鬼の姿こそ映るものの、中々連中に手を下してくれないのが難点。
ってか「殺人鬼が若者の目の前に!→殺そうとしたその瞬間にどっか行かれてしまう」的なシーンが多すぎ!!!さっさと殺ろうや!w
このシーンが連続してしまう所為で、序盤から中盤まではやや眠くなってしまいがちなのが難点だった。
(正直レビュー書きながら見じゃなかったら眠ってしもうたかも。w)

流石に後半になるとそれなりには殺されまくるが、それでもやや間延びしてる感が否めない。
そんな感じで長ったらしく間延びしてる所が多かったので、それをテンポ良く処理すればかなり良くなったと思うだけに勿体なく思った。
(多分、殺すシーンの予算とかが足りなかったんだろうけど。w)

お話もハッキリ言って平凡で印象に残る連中もあまり居ないのは残念。
スラッシャーの素顔もただのオッサンなので、スラッシャーのキャラも弱い…。
後、ラストは少々パッとしないかも…。



とまぁ散々乏してしまったが、スラッシャー物としては間違った事はしてないし、切り株描写等の見どころもそこそこ、制作陣のスラッシャー物に対する愛情も感じられたので、この手のジャンルが好きな人は何だかんだでそこそこは楽しめるんじゃないかと。w
スラッシャー映画好きなら(俺みたいにw)文句を言いつつもそこそこは見れると思うので、暇つぶしにでもどうぞ。
最も、期待しすぎなければの話だが。