彦次郎

愛人契約の彦次郎のレビュー・感想・評価

愛人契約(2008年製作の映画)
2.1
離婚調停中、母親とうまくいかず姉はDVで苦しむという環境のジュリアンが謎の自由奔放な美女マイケルと出会い深い関係に至ることで自身の内面に気づくドラマ。製作総指揮・監督・出演はジェイダ・ピンケット=スミス。俳優ウィル・スミスの妻、『マトリックス』シリーズのナイオビ船長を演じ、最近(2023年9月下旬頃)射殺犯人が捕まった故2PACの同級生にして親友という経歴の主です。
印象的なのは主人公であるジュリアンのヤバさです。大手マーケティング会社で働くところからも仕事ができるのでしょうが保守的な企業と取引中なので離婚の先延ばしを命じられても新しい女性とデートを楽しみデート中に問題の美女ジュリアンの虜になってしまうという節操のなさ。そこで留まればただのスケベ野郎で済むのですが偶然再会したマイケルの恋人を殴る、姉に暴力をふるう夫を(情状酌量の余地はあるとはいえ)半殺し、マイケルとも口論になり暴力を振るうという暴力衝動のある危険人物で主人公として同情しがたいキャラクターでした。会社の方からも散々忠告されていても仇で返すような仕業で終盤でスッキリした顔でペンキ塗りをされても釈然としないものが残ります。
お相手のマイケルも人妻でありながら「誰のものでもない」と言い張り夫公認で浮気を繰り返しジュリアンを目隠しして別の女性と性交させる嗜好と自分の太ももにペンを突き刺す狂奔ぶりというこれまたヒロインとして同情しがたいキャラクターでした。
タイトルの『愛人契約』というのも不可思議ですがエロそうで大してエロくもないというフラストレーションの溜まる内容でした。
大変失礼ながら後年ジェイダ氏がアカデミー賞で自身の髪型を揶揄されて夫が言った相手をビンタ打ちした事件が起きており本作と微妙なリンクを感じてしまいました。
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