彦次郎

白蛇伝の彦次郎のレビュー・感想・評価

白蛇伝(1958年製作の映画)
3.7
許仙が子供のころ助けた白蛇が美しい女性白娘となり恋に落ちるも僧侶法海が許仙を救おうとお節介してしまうスペクタル恋愛アニメ。ジャケットにあるように日本最初の総天然色長編漫画映画です。話の元ネタは民間説話ですが何よりも実写版である『白夫人の妖恋』がヒットしたことにより誕生した作品なのであらすじはそちらに影響されております。
アニメということで許仙はパンダや猫熊(レッサーパンダにみえる)を友人にしている微笑ましい仕様。動物たちが話すという要素はディズニーあたりからの影響でしょうか。また白娘の手下である小青は原作どおりですが小娘ぶりはよりアニメ版の方が強化されています。
『白夫人の妖恋』の特撮も凄かったですが本作も劣らず大嵐の場面は大迫力となっていました。初のアニメ長編とういうことで”新人の動画担当アニメーター42名が参加して、約7カ月の作画期間と4,047万1,000円の製作費、1万6,474枚の原画、6万5,213枚の動画が費やされ”(wikipedia)ていますがスタッフにノウハウを教えながら制作された文字通り日本アニメ史の黎明に相応しい作品といえます。美麗な絵(白娘の屋敷を歩く場面とか昔の作品とは思えぬ)は勿論特筆すべき点ですが声を充てたのが森繁久彌、宮城まり子の2名というTBSのテレビアニメ『日本昔ばなし』のような超精鋭主義となっており演じ分けが凄いことになっています。
終盤の話のまとめかたは王道的ですが良かったと思います。
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