彦次郎

ファイブ・バンボーレの彦次郎のレビュー・感想・評価

ファイブ・バンボーレ(1970年製作の映画)
3.3
科学者フリッツの持つ公式を巡って離島で過ごす金持ち夫妻たちにおこる連続殺人を描いたミステリー。閉鎖空間での連続殺人というミステリーにおける鉄板的な設定ですが本作は離島ということもありアガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』が元ネタになっていると思われます。
本家と違い、利権をめぐる争い、色っぽい女性が多くなったのと、予告なしに気づくと殺されて冷凍庫に肉のように吊るされている等見せ方は変えております。また真相(推理小説ならクレームがきそうではある)についても本家と変えてあるのはさすがといえましょう。
つまらなくは無いのですがやはり本家と比較してしまうと物足りないと感じてしまいます。多分ですが金と色のドラマを押し出すことでミステリーの純度が下がっているからではないでしょうか。殺人よりも公式を手に入れようと浮気性の妻に色仕掛けをさせようとするニックの異常性のほうが気になりました。
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