kazu1961

宇宙人東京に現わるのkazu1961のレビュー・感想・評価

宇宙人東京に現わる(1956年製作の映画)
3.5
▪️Title : 「宇宙人東京に現わる」
Original Title :※※※
▪️First Release Year:1956
▪️JP Release Date :1956/01/29
▪️Production Country: 日本
🏆Main Awards :※※※
▪️Appreciation Record :2020-467 再鑑賞
🕰Running Time:87分
▪️My Review
日本初の本格的カラー空想特撮映画と銘打っています。1956年の時代にこれだけの作品を作ったことには感服します。岡本太郎がデザインした宇宙人・パイラ人のその奇抜なフォルムは和ませてくれますが(笑)。
そうなんですね、この時代に宇宙人が惑星衝突という地球滅亡の危機を警告しに地球に到来するという、たいそう真面目なメッセージ性を内包した作品を製作しました。
物語は。。。世界各地に飛来したUFO。東京にもヒトデ型の宇宙人・パイラ人が姿を見せます。侵略者と思われたパイラ人だが、彼らの目的は、死惑星Rの地球接近によるカタストロフを警告することでした。なかなか自分たちを受け入れない地球人のために、パイラ人は日本人の美人ダンサーへと姿を変え、地球最後の日到来への警鐘を鳴します。。。
パイラ人同士の会話が字幕で処理されいたり(この時代の旧漢字が多々あるのは愛嬌)、その美醜感覚の人間との相異について議論を交わすあたりの描写はユニークです。また的場徹による都市崩壊特撮映像も迫力があります。この作品をB級作品として捉えるよりは、戦後の日本のおかれた立場や非核三原則などのその真摯なメッセージ性と作り手の誠実な作品作りへの姿勢を評価すべき作品だと思います。
ずっとシリアスのストーリー展開ですが、パイラ星人のフォルムと会話のくだりて、スコッと和みます(笑)。
友好的な宇宙人は1951年公開のアメリカ映画『地球の静止する日』、地球への天体衝突は同じく1951年公開のアメリカ映画『地球最後の日』で描かれており、『宇宙人東京に現わる』はこれら2作品の発想を合わせたような作品なんですね。そして、後年のウルトラシリーズによくある「姿形の全く違う宇宙人が地球人に変身して人類社会に潜伏する」という描写を、日本映画としては初めて見せた作品でもあります。
特撮の担当は、のちに円谷プロのウルトラシリーズを手掛ける的場徹。登場するヒトデ形の宇宙人「パイラ星人」のキャラクターデザインは芸術家・岡本太郎が担当しています。
あと、この時代のテニスのファッションにびっくり!!でした。

▪️Overview
「怪盗と判官」の小国英雄が脚本を書き、「新女性問答」の島耕二が監督、「婦系図 湯島の白梅」の渡辺公夫が撮影を担当した。主な出演者は「娘の縁談」の川崎敬三、「応仁絵巻 吉野の盗賊」の山形勲、苅田とよみ、永井ミエ子など。色彩は大映カラー。色彩指導には画家岡本太郎が当っている。(参考:映画. com)
kazu1961

kazu1961