ドント

エネミーのドントのレビュー・感想・評価

エネミー(2010年製作の映画)
-
2010年。クリスマスイブ、6人しか残っていない深夜の警察署に「自首をしたい。人を殺した」とやって来た謎の男。明滅するライト、男の不気味なオーラ、巻き起こる怪現象、やがて彼の告白そのままに刑事たちが死んでいく……。邦題×ジャケがこれっぽっちも内容に合ってねぇ上に原題も微妙に違う、ある意味とても不幸な映画。インカムも武器装備も大爆発もビルも何にも出てきません。よろしくネ!
一応は怪奇映画なのに撮影にはあんまり凝ってなく、もっとこう怖くできるやろ?と無いものねだりをしたくなる。でも脚本がよいのと湿って寒々しい空気、道具立てが上手くいってるためか、観ている最中はそんな不満はあれど存外にスーッと飲み込めて、こういう「軽さ」もまたよいかな、とも感じる。あとやはりヴァル・キルマーというクセのある俳優の使い方がいい。
めったやたらに血とモツがベショベショ飛ぶがこの内容なら地味に死んでいく方がいいのではとか、終盤の展開がタネそのものはいいんだからもうちょいこう何とかなんねぇのかとか惜しい部分は多々あるが、キルマーの存在感にいい意味で寄りかかり無駄なくソツなく仕上がっていて楽しめた。これ84分くらいならもっとよかったはずである。腹6分目くらいな作品。
ドント

ドント