ひろぽん

ポケモン・ザ・ムービーXY&Z ボルケニオンと機巧のマギアナのひろぽんのレビュー・感想・評価

4.0
劇場版『ポケットモンスター』シリーズ18作目

旅をするサトシたちの前に、幻のポケモン・ボルケニオンが突然空から降ってきた。その衝撃でサトシとボルケニオンはキャプチャーカプスと呼ばれる器具で、いつのまにか繋がってしまい、離れたくても離れられない。仕方なくボルケニオンはサトシを引きずりながら、さらわれたマギアナを救うべく「アゾット王国」を目指す。その一方で、巨大な歯車がまわり続ける超カラクリ都市・アゾット王国の大臣ジャービスは、長年探し求めていた究極の発明である、500年前に王国で生み出され行方不明となっていた人造ポケモン・マギアナと、そのマギアナに宿るといわれる「ソウルハート」という未知なる力を利用して王国を支配しようとたくらんでいた。はたして繋がれたままのサトシとボルケニオンは、力を合わせ、マギアナを救出できるのかという物語。

霧や水蒸気を発することのできるスチームポケモンのボルケニオンと、500年前に天才科学者によって造られたじんぞうポケモンのマギアナの2体の幻のポケモンをメインに物語が展開されていく。

今作の最大の魅力は、メガシンカするポケモンが多く登場するメガシンカのオンパレードで、これでもかというくらい登場する。味方のサトシゲッコウガやサーナイトがメガシンカするのはもちろん、敵のポケモンのほとんどのポケモンがメガウェーブというジャービスの開発したアイテムによって強制的にメガシンカさせられ、絆が関係なくても誰でも使えるという設定が面白い。

また、見た目も中身も悪に染まっているジャービスは、悪役の中でも飛び抜けていて、全く善良な心を持っていないタイプの人間。自分の理想のためなら平気で一国の王子や王女、ポケモンをなりふり構わず騙したり殺そうとする非道さ。ロケット団すらも利用できると思ったら利用し、そうでないならすぐに切り捨てるという冷淡さ。終いには自分の計画が失敗に終わるとそそくさと逃げ出し、自分ができる最大の抵抗である最悪の置土産をしぶとく実行するという人間性。劇場版のポケモンにこれほどまで最低最凶の悪役はいないだろうというクズっぷりが悪役の鏡だった。

また、今作はロケット団のニャースがマギアナの心の声を代弁して悲しい感情を辛そうに話すシーンが感動的で印象深くとても良かった。いざとなった時に活躍するロケット団の存在感がたのもしい。ニャースがめちゃめちゃいい味出してる。

メガシンカ、Zワザ、ダイマックス、テラスタルと近年ポケモンを楽しませるアイディアが詰まった新要素が出されてきたが、バトル中に一時的に進化するメガシンカの要素が1番好きかもしれない。

嘘を平気でつき、いいようにポケモンを利用するという人間が嫌いなボルケニオン。ポケモンは嘘をつかないと言い張るが、ラストに唯一ボルケニオンがつく嘘がとても良かった。

ポケモン映画の中でも面白い作品だと思う。大好きなポケモンの色違いの白いメガゲンガーのビジュアルがとても良く素敵だった!


“科学の力ってすげー!”
ひろぽん

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