ペコリンゴ

素敵な人生のはじめ方のペコリンゴのレビュー・感想・評価

素敵な人生のはじめ方(2006年製作の映画)
3.5
記録。
一期一会のリスタート。

「素敵な人生」だとか「最高の人生」だとか「見つけ方」だとか「はじめ方」だとか何かとややこしいモーガン・フリーマン主演作。

4年ぶりの復帰作としてインディペンデント映画へ出演するのを躊躇うかつての有名俳優。役作りのための下見として訪れたスーパーマーケットで彼はレジ打ちに勤しむ気の強い女性スカーレットに興味を持つ。約束の時間になっても撮影スタッフは迎えに来ず、エージェントにも連絡がつかない。挙げ句の果てに自宅の電話番号も覚えていない俳優を見て、スカーレットは渋々彼を送り届けることにする。

これは制作総指揮も務めたフリーマンの自己が投影された映画なのかもしれない。というのも本作で彼が演じた役は俳優であり、役名も特定の人物名は与えられていない。現場から遠ざかった落ち目というのは実際と違えど、とにかくこれは俳優モーガン・フリーマンを心ゆくまで楽しむ映画。

パス・ベガ扮するスカーレットと俳優の間柄がとても心地よい。住む世界も世代も違う2人だけど、案外、前向きになれないという共通点がある。人生経験を積んだ俳優のアドバイスはスカーレットを勇気付け、その姿に俳優自身の中でも何かが変わっていく。こういうの素敵かも。

大きな盛り上がりは無いけど、肩の力を抜いて観れる映画。短めで観やすいし、ちょい役でダニー・デヴィートやジョナ・ヒルが出てるのも良い。

忙殺される日々を送る方への清涼剤としてオススメの作品。