ちこちゃん

ココ・アヴァン・シャネルのちこちゃんのレビュー・感想・評価

ココ・アヴァン・シャネル(2009年製作の映画)
3.0
ココシャネルの母が亡くなって父に孤児院に預けられてから、成人になりBarで歌うようになり、その後貴族の愛人となってからデザイナーとしての成功までを描いた映画。

女性が働くということが考えられなかった時代において、自由でいたい、愛を求めながらも自立したいがために、愛してくれている貴族の元を離れて、妻がある男性を愛し、帽子をデザインすることで経済的な自立を求めた結果孤独にならざるを得ないココを描く。

映画としては、ココの幼少期からアトリエの成功までのみを描いているので、ココの人生すべてをカバーしているわけではない。それだけフォーカスを絞った割には、貴族の元から離れることになった男性であるボーイとの関係やボーイが事故死したことがココに与える影響などについて緻密な描写に欠ける。だから映画としての深みを感じられない。

歌い手になったあと、貴族の愛人となり、仕事の成功を得て一人の人間として自立した段階と段階が変わるとごとにココの表情が変わっていくのはうまく演じられていたように思う。

この映画を観ながら、女性が精神的に男性から完全に自立し、一人の人間として生きていくためには、経済的な自立が欠かせないと感じるわけだが、現代においてもそれがどのぐらい女性においてなされているかは疑問である。特に、日本においては、そのように女性が自立することが、男性のみならず、同性である女性からも支持をえられていないのではないか、そのようなことを考えさせる映画であった
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