しぇんみん

グラディエーターのしぇんみんのレビュー・感想・評価

グラディエーター(2000年製作の映画)
4.0
"死は皆に微笑む。できることは微笑み返すことだけだ"

西暦180年_

他国との戦争に明け暮れ、その勢力を伸ばしてきたローマ帝国。

人気・実力ともに備わった将軍マキシマスに率いられ、ローマ軍は連勝を続けていた。

彼に全幅の信頼を置く皇帝アウレリウスは、次期皇帝の座をマキシマスに託そうとする。

だが、それを不服に思う皇子コモドゥスは皇帝を殺害、マキシマスに反逆罪の汚名を着せ処刑しようとする。

間一髪で逃れ故郷を目指すマキシマスだったが、そこには変わり果てた妻と息子の姿があった。

失意のなか深手を負った彼は、奴隷商人プロキシモの手に落ち、剣闘士として死闘を繰広げてゆくこととなる...。

汚名を着せられすべてを奪われた失意の男が、剣闘士としての戦いのなかで生きる意味を見出していく物語。

麦穂に手を滑らせ豊かな小麦畑を歩く幻想的なオープニング。

冒頭の大規模戦闘、剣闘士同士の死闘、古代戦車VS重装歩兵など、残酷描写も辞さない臨場感のある映像は圧巻。

名誉ある将軍であり熱い剣闘士でもある主演のラッセル・クロウ、冷たい嫉妬の炎を燃やす悲しき皇子ホアキン・フェニックスなど、俳優陣の演技は文句なし。

そしてラスト間際、剣闘士と皇帝の死闘は胸熱だ。

「還るべき故郷」として「懐かしい我が家(家屋)」ではなく、「麦畑」「どこまでも真っ直ぐな道」「愛する家族」で表現していることが印象的だった。

映像、構成、演出、あらゆる部分で完成度の高さを感じる作品だと思う。

ハナマル!

2022/04/02
しぇんみん

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