いやぁ〜とんでもない作品だ笑。難解で当然、たのしくなくて当然。もうこれは「文化の違い」と言うしかないと思ったわ。
問題作です。製作を依頼したTV局が依頼したものと違うじゃないか!と激怒し訴えられお蔵入りになっていたものを買い取ったオランダ人のお陰で人の目に触れることかできた作品。
関連性がありそうでなさそうな、なさそうでありそうな言葉や議論をまるで無数に切り貼りしたかのようなコラージュ作品。主には男女2人が映像や言葉や音について議論している(ような感じもするしそうじゃない気もするw)。暗いスタジオにライト1点様々な格好でまたはアングルで言葉を連投してくる。完全に観客をガン無視でサディスティックに考えている隙間すら与えない。不快な音、無神経なアニメーションもぶっこまれ、ところどころピー音入ってる。シーンとシーンには繋がりはない。いや、あるのかも。
それでも興味深い言葉はところどころにあるの。(ところが忘れてしまったのだけれども笑)
フランスやイタリアあたりでは映画を観たあとに、ワインを飲みながら感想や意見を交換しあう文化がある。だからこのような問題提示型の作品はお酒のアペタイザーにとても合うのだと思う。彼らが誰が観たって解るという映画をあまり好まないのはそんな文化背景があるからだとも思うの。
ゴダールさんがちょうど毛沢東に傾倒していたときだったし、意思を持って作品を観なくてはいけないとか、世の中はブルジョワによって歪められている的な赤いメッセージを強く感じたけれど、プロパガンダ的なというより、これは現代でも十分に言える商業映画と芸術の違いという意味の方が強いかもしれない。
ゴダールさんの人間が透けて見える作品です。