Kaoru

ハッピー・バースデー 家族のいる時間のKaoruのレビュー・感想・評価

3.8
2021年はサボらずレヴューするぞっと。

2021年の1作目の観賞に選んだこの作品。
主演のカトリーヌ・ドヌーヴをロシュフォールの恋人たちや、シェルブールの雨傘からずっと観ていて(もちろんオンタイムじゃないけれど)、とても好きな大御所女優さんの1人。めちゃめちゃ怖そうだし厳しそうだけれど、愛情深そうな雰囲気を勝手に感じてるわ。

それはそうとこの作品。大家族が一同集まるおばあちゃんの大切なパースデーパーティーに、2人の問題児(って言ってもいい大人なんだが)が大君臨。

2人とも常に嘘ばっかりついてるし、精神的に不安定だし、もう大変。そりゃぁもちろん家族のありがたさや温かみも絶対に分かってるハズだし、めちゃめちゃ好きだと思う。けれどもね、実家のありがたみなんて帰って速攻忘れるのが世の常。故にママンや兄弟に喧嘩をふっかけるのだって、「自分のことを少しくらい認めてよぅ〜」って言う現れだったりするわけで、大きな赤ちゃんみたいでかわええやんと思ったのと、やっぱり可哀想だなと思った。

グザヴィエ・ドラン監督の『たかが世界の終わり』を思い出させる物語で、言い合いや喧嘩の根本にある、家族に認められたい共感を求めたいという愛情や感情を汲み取って観たらとても愛に溢れた作品に思えるし、観る人がみたらイライラさせられるだけの不快な作品かもしれない。
それと、もともと一緒にいた家族が、独立や結婚で誰かが出てしまうと、残された家族の中で幸せを満たそうとするものなのだろうなぁ。だから出た人がたまに帰省したりすると、もともと築いてきた家族のバランスがおかしくなって喧嘩や言い合いなんかが起こったりする。それを『たかが世界の終わり』にも本作にも感じた。
それぞれの好みだから自由に観たら良いけれどアタシはこう言うの大好きだわ。

クレールのサイコ具合がめちゃめちゃ面白かったけれど、泣きじゃくりながら駄々っ子になる演技すごすぎ。あれ、客観的に見ると嫌なオンナとか思っちゃうけれど、おそらく女性は彼女の気持ちがほんの少し理解できるのではないかなと思った。え、アタシだけ?

カトリーヌ・ドヌーヴのように品位あるおばあちゃん目指してがんばろっと。
Kaoru

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