そーいちろー

アングスト/不安のそーいちろーのレビュー・感想・評価

アングスト/不安(1983年製作の映画)
2.5
キチガイの思考回路を映像化した、って感じの映画。それ以上でもそれ以下でもなし。被害者に対し余計な感情を差し込むこともなく、主人公の主観で進んでいくのはよかったが、物語の語りが短調過ぎる。主人公の自己認識と行動の稚拙さのギャップは、キチガイの思考形態をよく表していて、そこはよかった。人殺しって実際は上手く進まない、みたいな意見があるのだが、そこらへんも忠実に映像化されてるように思える。ドキュメンタリー調というかスナッフムービーチック、というか。

池袋で再見。改めて観ると、カメラの撮り方がかなり独特で、動いてる中で変にコマ落ちというか、ストップモーションみたいのを挿入するような撮り方で、映画の内容と音楽と合わさって、ひどく不協和を生んでいて、良い効果を生んでいた。改めて観て、やはり徹底した主観と説明で語りが終始しているところが素晴らしい。一切の共感も憐憫もなく、ひたすらに残虐な行為が進展いくさまは、いま改めて観ても新鮮な感覚。
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