ねこ無双

スパイダー・ベイビーのねこ無双のレビュー・感想・評価

スパイダー・ベイビー(1968年製作の映画)
4.5
ジャック・ヒル監督デビュー作。60年代作品。
後にタランティーノが影響されるコフィーを撮られた監督さんです。
ジャケ写カラーだけど、モノクロ映画。

人喰いの話だけど、グロ無しでどぎつくないです。
怪奇、猟奇的でありながら、可愛らしい雰囲気もあって、とぼけたユニークさがあるお気に入りの一本です。

メリー症候群というメリー家特有の病に冒された姉妹と弟。一家を守ってくれる執事?さんと屋敷で暮らしてる。
子供はどんどん知能退化し、狂気に取り憑かれ、人喰いしてしまうという症状の病気。

オープニングロールとエンディングの後始末が可愛らしい演出。オープニングのアニメ猫の絵も含めて可愛いんだけど、映画中の猫は多分シド・ヘイグのえじきになってるような気がする。
あんな恐ろしそうなシドの絵までちゃんと可愛く描いてくれてる。

先代と交わした約束への責任感と愛情から、外部の闖入者を防ごうとするもうまくいかないロン・チェイニーJr.が気の毒で親しみがわく。
姉妹は可愛いワンピ着てガーリー美少女。悪い事したら、大好きな執事さんに嫌われちゃうからって気にしながらも、結局は全然気にしてないっていう狂った感じ。
シド・ヘイグ演じる弟はだいぶ症状が進んでいて、子供のような無邪気さもあって不気味。
それでもひっそり暮らしてたのに…
事情を知らないいとこカップル達、闖入者たちが土足でズカズカ屋敷に入り込んでくる。気の毒な人もいるけど…

明かりが着くとダブル包丁持ってる妹がどんと現れるシーンが楽しい。
シースルーガウンとガーターで逃げる美女。
目をひんむいて恐怖に怯える美女を羽交い締めしながら、昇降機から現れるニタニタ悪いのシド・ヘイグ。

高台にそびえたつ屋敷を下から見上げる不気味さから始まる恐怖の一夜。