KouheiNakamura

ロッキー5/最後のドラマのKouheiNakamuraのレビュー・感想・評価

ロッキー5/最後のドラマ(1990年製作の映画)
3.0
伝説の男ロッキー・バルボアの軌跡、5作目。または「最後のドラマって付いてるのは日本だけだからセーフ!」編。

ええ、ご存知の通りロッキー・シリーズはこの作品では終わりませんでした。思いっきり最後って言ってますが、エンドロールの演出がこれまでの集大成っぽいですがシリーズ最終作ではないです。
とはいえ、アカデミー賞を取った一作目から続いたロッキーシリーズはひとまずこの作品で製作をストップします。作り手側も第1作目の監督ジョン・G・アヴィルドセンを起用したりして、シリーズのフィナーレを意識していることは間違いないでしょう。
が、このロッキー5。結果としてシリーズ中最低の評価を受けています。ラジー賞も総なめする勢いで。何故か?

答えは簡単。ほとんど全ての観客は「こんなロッキーは見たくない。」とそっぽを向くストーリーだったからです。4までのボクサーとしての名声を一気に無にする唐突な展開、イマイチ魅力のない新キャラ・トミーガン、そして何よりもロッキーの試合シーン・トレーニングシーンがない…。これでは評価が低くなるのも当然。作り手側としてはシリーズのマンネリ化を打破したかったのでしょうが…完全に裏目に出てしまってます。

個人的には悪くない場面(特にミッキー関連)もありましたし、飽きることなく最後まで見られたのでもう少し評価したいところですが…。いかんせん、最後のストリート・ファイトが嫌いすぎて駄目です。あれじゃあトミーガンもロッキーも報われない。ボクサーであるロッキーが、単なるチンピラに成り下がってしまう最悪のオチです。

しかしこの映画が失敗に終わったからこそ次の本当の意味での最終作が作られることになったので、そういう意味では必要な作品だったのかもしれません。
KouheiNakamura

KouheiNakamura