うっちー

爆烈野球団!のうっちーのレビュー・感想・評価

爆烈野球団!(2002年製作の映画)
3.0
 フォローしているゴロフキンさんのレビューを目にして俄然観たくなり、DVD取り寄せて鑑賞致しました。な、なんて不思議かつ微妙な映画なんだ! タイトルからして、ちょっとまえの時代のコミカルな野球ものと思ってましたが、最初のタイトルバックはなんだなクラシカルな雰囲気。絵師か書家が出てくる時代物みたい。しかし、そんなに前でもないけど、戦後とかではない統治時代が舞台でした。

 いわゆる近代を舞台にしているので、洋装の人もいれば、普段着っぽい民族服の人もいる。両班がかぶるあの独特の帽子をかぶってる人まで出てくる。となると、韓国版『瀬戸内少年野球団』かと言えば、そんな感じでもなく、少年でもなく大人たちです。その中心にいるのが、ソン・ガンホ演じる主人公。教育者の家庭に育った学士、ということらしいけど、勉強よりスポーツが好きらしく、なんだかふらふらしている。野球に出会ったのも、サッカーで遊んでいて、ボールを追いかけていったに無断で立ち入った米人宣教師宅でのこと。そこにいたキム・ヘス演じるジョンリムの美しさにも惹かれ、流れで野球を始める。スポーツ刈りに修行僧みたいな白い簡素な服のガンホの、ずっとボケかつ、不思議な動きが、なんともユーモラス。なーんか、かわいいんだなぁ。
 そのガンホと行動を共にしている長髪メガネの洋装青年が、なんとファン・ジョンミン‼️ しかしまぁ、若い! かつ、なんとなく顔や身体の締まりがなくて、今のオーラは感じられない。役回りも、カッコ良い系ではないし。
 それに反して、あっ‼️と驚いてしまったのが、キム・ジュヒョク❗️ 『毒戦』を観たばかりで、その衝撃も新たなところに思わぬみっけものでした。一人だけなんだか颯爽として野球経験者で、なんかかっこよく、爽やかな役でした。しかも、ジョンリムと密かに恋仲で、途中で日本の当局から追われる身となって失踪してしまうという。この野球団がYMCAで、クリスチャンを名乗ったレジスタンスだったのかな? 
 そういった歴史的背景などの説明が一切ないのが不親切な映画。また、一度消えたジュヒョクとジョンリムがまた戻ってくるとか。最後も尻切れトンボだし。感動させたいのか、笑わせたいのか、よくわからない、的が絞られてないし。ただ、そんなのちにビッグになる俳優たちの不思議な若き姿を楽しめるし、植民地時代の事情もちょっとわかる。ただ、日本軍の描き方はかなり日本に良心的かな。鈴木一真と伊武雅刀の軍人親子という、ちょっと不思議な組み合わせも、なかなか味がありました。
 ところで、チョ・スンウはどの人だったのでしょう? 野球団の若手? ちょっとわからなかった。再見します!
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