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吸血鬼ボボラカのNUZOOのレビュー・感想・評価

吸血鬼ボボラカ(1945年製作の映画)
3.6
冒頭、ボリス・カーロフが手洗いするうしろで兵士たちの影が動いていたり、死屍累々の戦場を歩いていく撮影だったり、まさにベックリンの絵のの通りの「死の島」に小舟で向かう絵画的なシーンなど、前半の映像が非常にいい。
舞台が部屋の中に移って以降も、影が強調されたコントラストの強い画面はかっこいい。カメラマンと監督がしっかりしてると、話は地味でも頼もしい。

原題は「死の島」なのでこっちが勝手に期待してるだけなんだけど、「吸血鬼ボボラカ」は現地の迷信として会話に登場するだけなので肩すかしはくらう。
基本的に密閉空間での疫病におびえる心理的なホラーで、手洗いと非接触を徹底しようとする、2020年以降に通用する衛生意識の作品。
科学を信じる将軍と、オカルトっぽいものを信じるおばさんが争わずに謎の結託を見せているのが不思議だった。
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