藤原直樹

アウェイクの藤原直樹のレビュー・感想・評価

アウェイク(2007年製作の映画)
3.5
術中覚醒という、2000万人中3万人に起こりうる現象。
意識はあるし、痛みなど感覚もある。
だが、叫ぶことも身体を動かすこともできない。
その状態で体にメスを入れられる恐怖がジワジワと伝わってくる。
そして、術中に耳を疑うような会話が、、、信じていた恋人や友人に裏切られる悲しみと絶望。
裕福な主人公には金に目がくらんだ人間しか近づいてこない。
本当の友情も恋人の愛も虚構でしかなかったわけだが、唯一母親の愛だけは本物だった。
強いて欠点を挙げるとしたら、一つ一つの要素の掘り下げが足りないが故に薄っぺらく感じてしまうところだろうか?
サスペンスとしてはそこまで盛り上がらず、ツイストもなく、ストーリーの流れも大半の人には読めてしまう。

ジェシカ・アルバのキュートさと役柄のギャップやテレンス・ハワードが葛藤する様など役者の演技は良い。
特に母親役を演じたレナ・オリンの演技は素晴らしく、母親の深い愛が伝わってくる。
主人公の意識が幽体離脱みたく彷徨う様を描いた点や、前述したような母親の愛が描かれている点からただのサスペンス映画に留まらない面白さがあるのも事実。
もう少し深く描けば更に面白くなったかなと。
最後の最後まで怪しい伏線があったがあれはなんだったんだろう....怪しい....


~余談~
日本企業がすぐ寝返って裏切る...というセリフになんて皮肉だ!と憤慨するも、ヘイデン・クリステンセンの不器用なカタコト日本語に脱力してしまう。
これは予備知識無しで観るべき作品だと思う。
予告編は結構ネタバレ満載だから絶対観てはいけない。
藤原直樹

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