特濃ミルク

不思議惑星キン・ザ・ザの特濃ミルクのネタバレレビュー・内容・結末

不思議惑星キン・ザ・ザ(1986年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

 会話のテンポやシュールな間の使い方、世界観がやたらと面白いソ連のSF映画。序盤の掴みとか完璧だろ。
 「なんか自分の事を異星人だと言う変なおじさんがいるんですけど」「俺に言わないで通報しろよ」「いやもちろん通報するんですけど、彼は裸足だから可哀想で…」でおじさんに話しかけてから空間移動装置ポチッ、からの一瞬でキンザザへ…。その時に二人が途方に暮れる感じがたまらない。こっちも呆気に取られてつい笑ってしまう。
 キンザザに着いてからも面白いのが、住民たちの文明の発達度合いが全く分からないところ。「クー!」という、単語一つしかないような原始的な民族かと思いきや、急に地球の言語を学習してペラペラ喋り出す。そして一方ではたかがマッチ一本を通貨のような貴重な代物として扱う、変な挨拶、人種差別、階層構造がある、主人公たちの下手な歌が人気になる…。進んでるのか遅れているのか…。まあそんな世界でも主人公たちはどう振る舞えばいいのか段々分かってくるのがまた面白い。
 オフビートな展開が続くから途中で中弛みする部分もあるけど、それを補って余りあるほどの良い世界観の映画だった。
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