1年以上借りパク状態でした。申し訳ありませんです。週明けは「クー」で挨拶します。
何度観ても愛おしい作品。あらためて、ゲオルギー・ダネリアが突然変異的に脱力SFを撮ってキャリアの中でもこれ一作だけで、でもって晩年突然セルフリメイクしかもアニメーションで撮るという離れ技の理由を知りたい。SF映画の土壌そのものはソ連にあっただろうけど。
美術にしてもエキストラの数にしても実は結構お金かかってそう。あの宇宙船が空飛んでるのとか、どうやって撮ってるのかいまだによくわからない。クロマキー合成ぽく見えない。美術と劇伴が好い。無音のところやアフレコの感じもセンスがある。
スウィフト『ガリバー旅行記』のフウイヌムの国を彷彿とさせる風刺の効いた設定もさることながら、何といっても前触れもなくカットが切り替わるだけの時空間越えが素晴らしい。編集だけで時空間を超える表現をしてしまうという。地球(ソ連)のシーンを時系列バラバラでタイトにして、惑星プリュクのシークエンスはとりとめがなく緩慢に時間を浪費するという緩急の構成がやはり上手いなと思う。折り返し地点で突然出てくる、地球に帰還してからの雪のシーンも美しく、ひたすら砂漠ばかりのシーンとのコントラストが鮮烈。
汚いんだけど丸っこくて目がうるうるしてるエフゲニー・レオーノフが可愛い。
2018. ユジク阿佐ヶ谷にて
初めて観たとき、世界にはこんなに面白くがちゃがちゃしたものが落ちている!といたく感動したことを思い出す。
そういうものが観たくてずっと映画を観ているように思う。