真っ黒こげ太郎

リアル・ハントの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

リアル・ハント(2008年製作の映画)
4.5
この手のB級にしては珍しくジャケ絵通りの展開!!!
しかし、トラクターで追っかけてくるオカンって…www



4人の子宝に恵まれえるも、育児の疲れから精神的に疲労困憊してるとある一家の母親。
”産めよ増やせよ”な思考で空気の読めない父親が家を長く空ける事になった事から母親はどんどん精神を病んでゆく。

ある夜、母親が完全に発狂!!!!!!
末っ子のネイサンが殺害され、残る3人にも魔の手が迫る!!!
長男のジミーは長女と次男を守るため奔走するが…。



育児ノイローゼで発狂した母親が、子供たちを追い詰めるサイコ・ホラー。

ビデオ用映画っぽいし、ジャケが大げさな感じだし(実際にジャケのような逃走劇があったが)、尺も77分しかなかったので、しょうもないスプラッターなZ級ホラーかと思ったら、意外にもしっかりしたホラーに仕上がっていた。

80分もない短尺だが、序盤でしっかりと家族の事情が汲み取れるのは流石。
徐々に病んでゆく母親、母親を気遣う長男、空気の読めない父親…。
その後、母親が発狂してからは緊張感増し増しでそのまま突き進んでゆく。

ゴアシーンなどは殆どないが、子供でも容赦なく死んでゆくので緊張感が半端ない。
何しろ第一犠牲者は赤子!!!!
その後も子供を初め次々に犠牲になり、主役の子もズタボロに!!!

演技も主演の子供たちの演技や、母親役の発狂演技もしっかりしている。
低予算ながらトラクターから逃げるシーンや逃走劇なども中々スリリング!!!
クライマックスの対決も緊張感があってよかった。

…と思ったらそこからのオチ!!! 後味悪っ!!!!!
やっぱ親父空気読めてねぇ!!!!! もうダメだコイツ…!!!
不安を煽るエンディング曲も不気味。


残酷描写は殆ど皆無に等しいし、かなり重たい題材ではあるが、緊張感のある展開で小品ながらも最後まで一気に見せてくれる、サイコ・ホラーの隠れた良作。

ジャケの安っぽさで謙遜せず、観てほしい逸品。

なお、本作は実話を元に作られているらしい…。
だが、今回は実際にあってもおかしくないような内容だ…。
(どこまで実話かは知らんが…。)

皆、母親は大事にしような!!!!